お米は、世界の110か国以上で栽培されていて、何万という様々な種類があるんです。以前「マーサの楽しい料理教室」というアメリカのテレビ番組でもお米が紹介されていました。
欧米ではお米は主食ではないけれど、料理の中で使われることがあります。イタリアのリゾットはお米の料理ですね。またヨーロッパにはお米を使ったデザートもあります。
世界で栽培されているお米は、ほとんどがアジア稲。そしてこのアジア稲には、大きく2つあり、「ジャポニカ米」と「インディカ米」です。
ジャポニカ米は、短くて丸いのが特徴。ふっくらした炊き上がりで、粘り気があります。インディカ米は細長く、パラパラとした炊き上がり。世界の生産量を見てみると、このインディカ米が約80%をしめ、主流になっています。
日本やアメリカでよく見かけるお米10種類とワイルドライスなど
1.ジャスミン米(ジャスミンライス、カオホンマリ)
細長い、香りのいいお米(長粒種の香り米)。特に新米は香りが良く、通に好まれています。
ライスプディングや、東アジア・インドの料理などによく使われている。わずかに甘く、風味がとてもいい。粘り気も少ない(アメリカの長粒種に比べると1/3ほど)
主産国:タイ、カンボジア、(他にラオス、南ベトナムでも)。2017年の世界コメ会議でタイのジャスミン米が世界一になった。
2.アメリカで良く見る長い白米(長粒種)
インディカ系の長粒種で、アメリカで一番ポピュラーなお米と言われている。ぬかや胚芽を取ったクセのない風味。そのままではなく、ソースとからめたり料理の中で良く使われる。
主産地:アメリカ南部
3.バスマティライス(バスマティ米)
インディカ米の中でも最高級のお米のひとつと言われるバスマティ・ライス。とても細長く、香りと風味があるお米です。
熟成させて水分を減らしているので、調理するとぱらっと仕上がります。インドやパキスタンで、よく食べられています。汁気のあるカレーにぴったり。ビリヤニやパラオなども、このバスマティライスだからこそ、おいしいと言われます。
インドのカシミール地方で栽培される「バスマティ370」は、とても高値で売られています。
4.長粒種の玄米(細長い玄米)
アメリカで良く見られる長粒種の玄米。日本には輸入されていないようです。ぬかや胚芽がついているので栄養たっぷりのお米。
5.短粒種の玄米(短い玄米)
アメリカで良く見られる短粒種の玄米。ジャポニカ系のおコメです。
日本に流通しているカリフォルニア産「コシヒカリ」や「あきたこまち」などの日本の品種も、このタイプ。アメリカでは、100%日本市場向けに栽培しているともいわれます。水によくひたしてから炊くと、香ばしいです。
6.アルボリオ米
イタリアの短粒米。リゾットに、そしてライスプディングなどにもよく使われます。まるまるとしていて、デンプン(アミロペクチン)を多く含んでいます。
7.すし米(アメリカで、Suhi Riceという名前などで販売)
いろいろ調べると、どうやらカリフォルニアで作られているあきたこまちや、コシヒカリのことのようです。
マーサさんなどは「お鮨に使われている短い粒のお米。とても粘り気があって、まとまりやすく握りずしにぴったり。本当にお鮨やさん(スシ・レストラン)でも使われている、日本で人気のお米」と言っています。アメリカ人がお寿司を作るときには、このお米を買う人もいるようで、ホールフーズなどのスーパーで売られているようですよ。
8.黒米(くろまい、くろごめ)
黒米は、紫米とも呼ばれるアントシアニンが多いお米。ビタミンやミネラル(リンやカルシウム)を多く含み、白米より高い抗酸化機能があります。
昔、中国で皇帝に献上されて普通の人は口にすることができなかったため「禁断の米」とも呼ばれるそうです。
収穫量が少なく保存性も低いので、白米より値段が高くなっていますが、雑穀米の人気で注目されています。ヘルシーさの点から、アメリカでも少しずつ人気が出てきています。
9.バンブー(緑米/みどりまい)
緑がかったとっても珍しいお米、緑米。クロロフィルという成分が含まれているため、緑色をしています。生産量がとても少ない貴重な品種(古代米)ですが、栄養価が高いため、注目されてきています。
10.カルローズ
いわゆる「カリフォルニア米」「カリフォルニアローズ」「国宝ローズ」「ローズ米」で、アメリカ・カリフォルニアで多く栽培される中粒種のジャポニカ系のお米。短粒種より長くて太いお米です。
短粒種に比べて食感は軽く、さっぱりして歯ごたえがややあります。アメリカの和食レストランや、アジア系アメリカ人で好んで食べられています。
11.ワイルドライス
ライスという名前ですが、お米ではなく、湿地に生える植物の種(イネ科)。北アメリカ原産で、カナダには「ワイルドライスサラダ」という有名なサラダがあります。
インディアンが昔から食用にしていました。フロリダやテキサスの湿地でも生産されています。
◆参考:香り米
「香り米」というのは、特定のお米の品種名ではなく、玄米に香りをもつお米のことを言います。例えば、インドやパキスタンで作られるバスマティ、タイなどで作られるジャスミン米を、香り米と呼びます。
ぱらっと軽いお米を、炊く方法3種類
お米は炊飯器で炊く以外にもいろいろな炊き方がありますが、ここでは、パラっと仕上がるような炊き方3種類をご紹介します。
お鍋を使ったフランス方式は、とても簡単で、海外旅行をしたとき、炊飯器がないときにも上手に出来そうですよ。
アメリカのお料理研究家マーサ・スチュアートさんは、お米をとぐときには、
1.ザルにお米をいれ水道の下で水をかけながら軽く混ぜる
2.その後、ボールにお米を移して、水を少し入れ、手で混ぜる
3.ザルにお米を移し、水を切る
という手順で、とても手短かにすすいでいました。
日本のお米も最近は、昔のように一生懸命とぐ必要はないと言われますよね。すすぐのが面倒なときには、無洗米もあります!
(1)お鍋でお米を炊く方法
分量:
水 240ml
お米 1+1/5カップ
バター 大さじ1
塩 小さ1/2
1.水にバター、塩を入れ、火をつける。
2.軽く沸騰して来たらお米を入れる。バターは全部溶けている必要はない。
3.また沸騰させる。沸騰したら、とろ火にする。
4.ふたをして16分加熱する。ふたは決して開けないこと。
5.16分経ったら火を止め、少し食べてお米の炊け具合を確認する。
OKだったら、10分間、蓋をしたまま蒸らす。
6.蒸らし終わったら蓋をあけ、フォークで底のほうまで、ほぐす。
底に水はたまっていないのが、理想。べチャッとせず、パラパラしたご飯になるはず。
(2)フランス式、お鍋でのお米の炊き方
ピーマンの詰め物、ロールキャベツにお米を入れるときなどには、マーサさんはこの方法でお米を炊くそうです。誰にでもできる簡単な方法なので、ぜひ試してみてください。
1.たっぷりのお湯を沸かし、塩を小さじ1杯ぐらい入れる。
2.細長いタイプの米を1と2分の1カップ入れる。
3.11~12分間ぐつぐつさせたら、炊け具合を確認する。
4.OKだったらザルにあけて、お湯をきる。(鍋について残っているお米は水をいれてすすいで、ザルにあける。)その後、ザルをしっかり振ってお湯をしっかり切り、器に移す。
(3)炊飯器で炊くジャスミンライス
日本製の炊飯器でジャスミンライスを炊く場合、マーサさんの分量は、お米2+2/5カップに対し、お水480ml。これで、パラッとしたおいしいジャスミンライスが炊けるそうです。
炊飯器は、やっぱりアメリカでも人気なんですね。