オートミール(オーツ麦=燕麦)は、シリアルやグラノーラでお馴染みですが、栄養価がとても高い食材。朝食やおやつに、グルテンフリーのお菓子作りに、広く使われます。

食物繊維は、白米の約20倍、玄米の約3倍。しかも水溶性食物繊維と不水溶性食物繊維の2種類を含む貴重な食品です。鉄分は、玄米の約2倍で100gにつき約6㎜g(1日の必要摂取量は成人女性で10.5mg)。他にビタミンB1やビタミンE、マグネシウムなど大事な栄養素も含まれています。

オートミール

カロリーは100gで380kcal、糖質は59.7g。白米・玄米と比べると、糖質はかなり少なく、カロリーはほんの若干多めですが、カロリーが若干高めなのはタンパク質が多く含まれているため。

そしてオートミールは、GI値がとても低いのも特徴。食べたときの血糖値の上昇率が低く、血管にもやさしい食品です。また穀物ですが、脂肪になりにくいのでダイエットにも向いています。

アスリートから、食物繊維をたくさん摂りたい人、鉄分を多く摂りたい妊婦さん、ダイエット中の人、小麦粉アレルギーの人、ヘルシー志向の人や、ハリウッドセレブなど、幅広い人にとても人気のある食材です。

加工によって4種類ありますが、中でもよく見るのが、ロールドオーツ(脱穀して、蒸して伸ばした押し麦のようなもの)やクイックオーツ(ロールドオーツをさらに細かくしたもの)。

オーガニックのオートミールでは、下の「アララ オーガニック ジャンボオーツ」や「アリサン 有機オートミール」などがポピュラーです。

オートミール

そんなオートミールで作る、グルテンフリーな、簡単でお洒落な食べ方・レシピをご紹介します。レシピは、いろいろ試して、よりヘルシーに工夫したものばかりです。

1.朝食に!オーバーナイト・オートミール

オートミール

とてもヘルシーなオートミールですが、そのまま食べると、ボソボソして食感があまり良くありません。

牛乳や豆乳で煮てお粥のようにしたり、牛乳や豆乳に入れて電子レンジで温める方法もありますが、翌朝食べるなら、前の夜、豆乳などに浸して一晩冷蔵庫に入れておくと、翌朝すぐ食べられます。

作り方は、好きな器や容器・ビンなどにオートミールを40g~50gほど入れて、牛乳や豆乳をひたひたになるまで注ぎ、冷蔵庫に一晩入れておくだけ。翌朝、好きなフルーツ(何でもOK)やナッツなどをトッピングして、いただきます。

毎日作るなら、蓋付きのビンで作ると、ラップを使う必要がなくて便利です。下のような大きなビンではなく、メイソンジャーなどの背の低い、口の広いビンで作るととってもお洒落です。

オートミール

寒い季節なら、食べる前に2分ほど電子レンジで温めてもOK。また、スーパーフードのチアシードや、ドライフルーツを一緒に入れて、一晩置いても美味しいです。

トッピングは何でもいいので、味のバリエーションは無限!ヨーグルトやココアを混ぜたり、チョコレートを砕いたものとラズベリーをトッピングしたり、黄な粉などで和風にするなど、好きなもので楽しめますよ。えごま油を少量加えて食べている人もいます。

2.グルテンフリーな、オートミール・パンケーキ

小麦を使わない、グルテンフリーのパンケーキが手軽にできます!朝食やおやつに簡単に作れて、ダイエット中の人、ビーガンの人、ヘルシー志向の人向き。

オートミール

普通のパンケーキよりとても軽い食感で、胃にドンとくるようなことはありませんが、満足感があります。

◎オートミールは、ブレンダーなどで粉にして使うと、より小麦粉のパンケーキのようになりますが、このまま使っても充分柔らかくボソボソしません。

◎焼く時オイルをバターにすると、よりリッチになります。(温かいうちに食べるなら、上にのせたバターだけでも充分です!)

◆材料(ひとり分)
・オートミール   30~40g
・ベーキングパウダー 小さじ1/2
(もっと少なくても可。また入れない人もいます)
・豆乳     100㏄
(牛乳やアーモンドミルクなどでもOK)
・タマゴ  1個

・オイル(サラダ油やバター)適量
・バター    5g~
・メープルシロップやハチミツなど
・お好みでフルーツなど

★オートミールは、30gだと液体がやや多めのゆるい生地になり、40gぐらいになるとオートミールの多い生地になります。お好みで、どうぞ。

◆作り方レシピ(写真はオートミール30g)
(1)オートミールとベーキングパウダーを合わせて泡立て器などで混ぜ、豆乳を入れて10~15分ほど置いておく。

(2)卵を溶いてから加え、よく混ぜる。
オートミール

(3)フライパンにオイルを敷いて、やや強い弱火にかけ、フライパンが温まったらお玉などで生地(半量~1/3量)をなるべく円形になるように中央に入れる。
▼お玉などを使うと手軽です。生地はよく混ぜて、下に沈んでいるオートミールも均等に分けましょう。
オートミール

▼生地は結構ゆるいので、フライパンの中で流れてしまうこともありますが(写真下)、ヘラで丸く形を整えられます。
オートミール
 なんとか丸くなりました!
オートミール

▼オイルは、味にクセのない菜種油やサラダ油などがおすすめ。生活クラブ生協の「なたね油」なら、こういうときに安心して使えます。

(4)生地の端がやや色が変わり、表面に穴があいてふつふつしたら(約3分)、裏返して反対面も焼く。中まで火が通ったようなら取り出す。残りの生地で、さらに焼く。
オートミール

▼結局、お玉が100㏄ぐらいのものだったので3枚焼けました。

(5)お皿にのせて、バターをのせ、メープルシロップをかける。お好みで好きなフルーツをのせる。

3.小麦粉を使わない、簡単にできるオートミール・マフィン

オートミールがあれば、グルテンフリーのマフィンが簡単にできます。材料を混ぜるだけ!出来上がりは、少しもっちりして、さっぱりした食感。朝食やおやつなどに、最適です。

オートミール

砂糖無しのレシピですが、ほんのりバナナの味がして、レーズンで少し甘みを感じます。もし甘みを多く感じたいなら、チョコレートや、オレンジピールなどを刻んで入れるといいでしょう。ハチミツやメープルシロップ等を少し入れてもOK。(少し冷めてから食べたほうが、バナナの風味を良く感じられます

またはココアを入れたり、抹茶を入れたり(大さじ1ぐらいでOKだと思います)。いろいろアレンジを楽しんでください。(ベーキングパウダーは、もしかしたら入れなくても大丈夫かも)

◆材料(小さめマフィン6個分)
・オートミール 120g
★バナナ  1本(大きめ、熟した甘いもの)
★卵    1個
★ベーキングパウダー 小さじ1/4
★塩   ひとつまみ
★豆乳  100ml
(牛乳でも、水でもOK)
★オイル 20ml
(好みで、サラダ油・オリーブオイル・ココナッツオイルなど)
・レーズン 20g
(ラム酒か水に浸けておく。あるいはレモン果汁をかけておいても良い)

◆作り方レシピ
(1)オートミールの半量(60g)と★の材料をブレンダーなどに入れてよく混ぜ、なめらかにする。
▼バナナは、スライスしながら入れると良いです。
▼ハンドミキサーでもOK。私はバーミックスを使いました。その場合、縦長の容器を使うとラクにできます。

(2)残りのオートミールを入れて、数回フラッシュする。
▼バーミックスなどなら、オートミールを入れて混ぜてから、数秒まわす。

オートミール

(3)レーズンを入れて、軽く混ぜる。

(4)スプーンなどでマフィン型に入れ、180℃のオーブンで25分前後焼く。
▼マフィン型にはオイルやバターを塗るなどしてください。取り出しがやや大変です。
▼串をさして、何もついてこなければ焼き上がりです。
▼今回は6つのマフィンにして、23分焼きました。4つに分けたら、オーブンによっては30分近く焼く必要があるかもしれません。

オートミール

オートミール

▼焼く前は、後から入れたオートミールが目立っていても、焼いたらザラザラしたりしません。とても柔らかです。

4.オートミールクッキー:砂糖が少なめのヘルシーなレシピ

これは、砂糖の量をとても抑えたオートミール・クッキー。豆乳を使ってあります。ナッツ類が入っているので、食感もザクザクで楽しいです!(でもカリカリではありません。さっくり口の中で割れます)

オートミールクッキー

こんなヘルシーなクッキーなら、毎日食べても大丈夫かも!きび糖を使うと、どうしても色が黒めになりますが、それもヘルシーな証しです(笑

あまり市販では見ないので、プレゼントすると喜ばれますよ。基本的には、材料を混ぜるだけなので、とっても簡単です!材料を混ぜる順番も、適当でもほとんど問題はありません!(ただオートミールと粉類は、先にボールに入れます)

豆乳を使って、バター30gをオリーブオイル15g~20gにすれば、ビーガンの人でも食べられますよ。

◆材料(直径4~5㎝で、15~16枚)

・オートミール100g
・薄力粉  90g
・ベーキングパウダー 1g
・砂糖(きび砂糖)60g
(他のブラウンシュガーでもOK)
・ハチミツ 5g
(ハチミツは使わず、きび砂糖を増やしてもOK)

・豆乳か牛乳 40㏄ (または卵1個)
・バター(室温)30g
・オリーブオイル 50ml

・ナッツ類  40~50g
(くるみ、アーモンドなど)
・ドライ・レーズン 30g
(ラム酒などに浸しておく)
・シナモンパウダー  1g(あれば)

★牛乳(豆乳)の代わりに卵を使うと、ほんの少しソフトになります。
★シナモンパウダーは、もし無ければ、入れなくても大丈夫です。
★ドライレーズンはお酒がなければ、ワインやジュースに浸けてもOK。水でもいいですが、その場合は、しっかり水気を切ってから生地に入れてください。

◆作り方レシピ
準備:バターを室温で柔らかくしておく。(電子レンジ200Wで20秒ぐらいでもOK)
準備:ナッツ類(くるみ、アーモンドなど)を細かく刻んでおく。ドライレーズンをラム酒などに浸しておく。

(1)薄力粉を振るいながらボールに入れる。

(2)オートミール、ベーキングパウダー、砂糖を入れてヘラで軽く混ぜる。

(3)さらに、牛乳(又は豆乳)・オリーブオイルを入れて軽く混ぜる。
▼牛乳(豆乳)の代わりに、卵を溶いて入れてもOK。

(4)バターとハチミツも入れ、軽く混ぜる。
▼ハチミツを入れないときは、(2)で砂糖を5g多く入れる。

(5)ナッツ類、レーズンを加え、混ぜる。時間があれば10分ほど生地を休ませる。
▼生地はあまり混ぜすぎないように。

オーtミールクッキー

(6)天板にクッキングペーパーを敷いて、生地を直径4~5㎝の円に置いていく。
生地を15~16等分して1つずつペーパーの上に置き、4~5㎝の円に延ばすと良い。
▼この作業の始めに、オーブンを170度に設定してオンにすると良い。

(7)170度のオーブンで、20分~25分焼く。

5.スウェーデンのオートミールクッキー(ジンジャー、ライム入り)/違うスパイス等で、アレンジも簡単!

これはスウェーデンのクッキー。最後にフォークで押して模様をつけるので、”gaffelkakor med ingefara och lime”(ジンジャーとライムのフォークケーキ)と呼ばれています。

オートミールのクッキー55

スウェーデンだけでなく、広くドイツやオーストリアなどでもポピュラー。クリスマスの時期に良く作られます。詳しいレシピは、下のページを、どうぞ。

>> スウェーデンのオートミールクッキー(ジンジャー、ライム入り)/違うスパイスなどで、アレンジも簡単!